動物を飼うということ

Quoraで、「は虫類を飼ってみたいと思いますか?」的な質問があり、過去の記憶やら思いやらを綴っていたら、長くなりました…( ̄▽ ̄;)
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イグアナをかわいいな♪と思ったことはあります。
しかし、飼ってみたいとは思いません。
理由としては、
①どうせ飼うならフワフワモフモフがよい
②イグアナはなつかないので、責任をもって最後まで診きる自信がもてない
からです。
少し長くなりますが、背景と論拠と想い出話を。
以前、私はフェレットを飼っていました。
そもそも、フェレットを飼い始めたのは、あらいぐまの代わりに、雰囲気の似た飼いやすい動物を求めたからです。
私は昔からあらいぐまラスカルが大好きで、あらいぐまを飼いたかったのですが、野村潤一郎先生の著書から、あらいぐまはとても獰猛で女性の指くらい平気で噛みちぎる、飼うにはかなり覚悟のいる動物だと知りました。
で、このフェレットという動物は、かわいい上に利口でなつく、好奇心旺盛で飼いやすい動物として、野村先生が日本に紹介した立て役者でもありました。
私が最初の子を飼い出したのは約20年前、二番目の子が約15年ほど前のことなので、15年くらい前かな…
日本ではだいぶポピュラーになったとはいえ、フェレットをきちんと診られる獣医さんは少ないので、私は野村先生の病院にいつも連れていっていました。待ち時間はかなり長く、二~三時間は当たり前と言った感じですが(病院の向かい側にカフェがオープンしたほどです)、この先生の治療は間違いないので皆さん黙って待っていますし、色々な珍しい動物もよく来ていました。
その日は、尻尾を根本から切られたイグアナが急患として運び込まれました。
院内はオープンスペースなので、先生との会話も聞こえてきます。
「なんで切っちゃったの?もう2度と生えてこないよ?」
飼い主さんは泣き崩れました。
どうやら、かかりつけの病院で手術をしたものの、納得がいかずに野村先生のところに駆け込んだようでした。
先生曰く、処置を分からなくて切っちゃうヤブ医者が一定数おり、ここにもよくそういう個体が連れてこられると説明していました。飼うからには、きちんと診られる知識を持った獣医に診せなくてはダメ、可哀想だがこの尻尾は戻らないと愛ある説教をしていました。
横にいた飼い主さんのお母さんの「このイグアナはこの子になついている」という主張にも「は虫類はなつきません」。
「この子にだけ、(鎖骨の)上に乗って寝るんですよ!?」
「それは、彼女のその場所の体温がちょうどいいからでしょう。それだけです。いいですか、は虫類はなつかないんです。犬ネコとは違うんです。それでも、飼つ たのであれば、なつかない動物にお金をかけて、飼い主さんも勉強して、最後まで責任をもって飼わなければダメです。」
うなだれる飼い主さんと付き添いのお母さん。
尻尾はもう生えてこないけど(根本からなかった…骨を切らなければ救いもあったらしい)、これからはこちらにつれてきて、引き続き大切に飼うと約束をしておられました。
私も野村先生の本を読み、お金がなければ動物を責任持って買えない、と覚悟をしていましたし、待ち時間も我が子のためには当たり前、既に25万円ほどの手術を終えて助けて頂いていたこともあり、飼い主さん同様、泣きそうになりながら聞いていました。
長くなりましたが、変わった動物を飼うのであれば、責任をもって、信頼のおける獣医を探し、自らの知識を増やし、最善の処置を施せる余裕(経済力もしくは自らの命を削る覚悟)がないと、その子との別れの時に、必ず後悔します。
私は飼っていたフェレット2匹、共に病気で亡くしてしまいましたが、野村先生のお陰で最善は尽くせたと、後悔せずに済みました。
あの子達が、私のもとに来てくれて良かった、と。
私はそこまでの情熱をイグアナには向けられないので、飼いません。
野村先生については、賛否両論あるようですが、動物に盆暮れ正月はないと年中無休、治療のために開院以来禁酒、動物のために自らの子供は作らないなど、本当に動物がお好きなんだな、と思い、信頼していました。
笑えることに、最初は小さな病院でしたが、行く度に大きくなり、今ではこんな大きなビルになったようです。
野村獣医科Vセンター|東京都中野区の動物病院|一般診療・フェレット・エキゾチック|院長あいさつ
いつかまた動物を飼うことがあれば、またお世話になりたいと思います。