大企業に勤めている人にしかわからないことは何ですか?

…という質問を頂いて、ふっと浮かんだことが、一言でいうと「空気」というか…世界観でしょうか。
私が長年勤めていた会社は、業界一位の老舗企業でした。
使える人もいれば、給料泥棒と言われても仕方ないような人もいて、それで成り立つ。
「あの人使えない」とぶつぶつ言ったり、陰で笑ったりできる余裕があるのです。
私の仕事多すぎるし!と有休を取りながら、文句も言える。
同じように、周囲も「忙しい」と口にしても、どこか余裕があるし、優しい人が多い。
…で、「その世界」しか知らずに、別の職場で少し働きましたが、何というか、忙しさの種類が違うのです。
自分の代わりの人もおらず、常に追い立てられているような圧迫感。
同じ「時間との闘い」のはずが、何だか微妙に違うのです。
目の前のことが終わらないと帰れない。会社にかかわることだけど、自腹で払う様々なケース。
そしてちょっと周囲もピリピリしている気がしました。
人に対し、「育てよう」という余裕がなく、すぐに結果を求められるような…
このような経験をした後、私は(前職とまったく違う業界だけど)老舗のネームバリュー抜群なところで働き始めました。
これがもう、面接に行ったその日から「肌に合う」と感じました(笑)。
面接の日なのに、思わず笑いあってしまうような、とてもいい空気感で…
私もきっと「採用」されたであろうことは推測できましたし、考えていたよりも早く仕事に出ました。
そして、周囲は皆優しく、丁寧でした。
前職とは全く違う業界なのに、前の会社にいた時と同じような感覚を覚えました。
実際、私はすぐになじんでしまい、ストレスゼロでとても居心地よく働いています。
長年、「温室」に慣れた身としては、やはり温室が性に合うし、以前の温室よりも高級な温室を御用頂いた感覚で…
これは、理屈ではなく、ほんと直感なんですよね。
特に今秘書をさせて頂いているので、かかわる周囲の方が優秀な方だらけで、刺激を受けるし、毎日楽しい。
同じ空気を吸ってきた人にはきっと分かってもらえると思うのですが、なじまない人には、これも居心地悪く感じるかもしれないですね…