春の想い出

コロナ対策で外出はおろか、外を歩くことすらままならない毎日ですが、時々娘と散歩をします。
最近のお気に入りは神田川への散歩。自宅から20分ほど歩いて向かいます。
遊びにも行けない日々ですが、道端に咲くタンポポの綿毛を探しながら歩いていると、結構楽しいものです。
黄色く鮮やかに咲く花も春らしくていいですが、やはりタンポポの醍醐味は綿毛にあり。
ふんわり丸くてふわふわの綿毛を見つけると、ちょっと得した気分になってしまいます。
実は(というほどでもないですが)、私にとって、タンポポの綿毛は娘の小さかった頃を思い出させてくれる、大切な思い出のツールでもあります。
確か、娘が二歳になる直前だったと思います。
当時、九州に単身赴任していた夫の元へ、息子の春休みに合わせて子供たちと遊びに行っていました。
娘と二人で、少し遠くへ散歩へ行ったのですが、帰路がちょうど「寝ぐず」と重なり、「もう歩けない」と泣き出してしまいました。
ベビーカーもなく、抱っこして帰るにはまだまだ距離がある。
どうしよう…と悩んだ私の視線の先には、タンポポの花と綿毛が。
「娘ちゃん!見て!!綿毛だよ~♪」と、目の前で綿毛を摘み、吹いて見せると、娘の顔がぱぁっと輝く。
「ほら、あっちにも綿毛があった!」
ちょうどタンポポみたいな色の服を着ていた娘。小さな体でよちよち歩きながら次の綿毛を探し、何とか帰路の距離を少しづつ稼ぐ。
その繰り返しで、何とか家まで到着。
タンポポに助けられた、春の日の良き想い出。
毎年、タンポポを見る度に、あの幼かった日を思い出し、娘と綿毛を探します。
幾つになるまで付き合ってくれるでしょうか…(笑)。